「あたしだってなぁ、何年も好きだった兄貴代わりの男を、はいそうですかっ、さようならって気持ちの中を急に空っぽになんかできねーんだよ!!」
「…」
「でもなぁ、お前がそれを忘れさせるくらいあたしのこと好きにさせたんだろうが!?」
ずかずかと歩いて翔真の胸のシャツを掴んで、睨みながら見上げる。
「いつまで不安で、どこまで不安なんだよ!?あたしは、お前がユリを好きでも奪ってやるくらいの気持ちだったぜ?!」
「…」
「お前もそんくらいの根性であたしを好きになってると思ってた!!っーかわりぃけど、今のお前にはあたしの心も体もあげねーよ!!!血がでる痛みなんてお前みたいな弱虫の為に我慢したくないね!!!」
「「は・・・血?」」
あまりの罵声にあっけにとられる中でも、その単語に結城と三上はぽかん…と一瞬してしまう。
「あたしの全部ほしいって好きって言ってくれたお前じゃないなら、嫉妬のひとつも無理やりにでも奪えずに、すぐバスケもブレる根性なしのお前なんかをあたしの男になんかするか!!」
シャツをつかんだ胸を後ろへと押し、そう言い切ると未茉は中指立て、
「そんなかっこわりぃ奴なんかと付き合えねーよ!!!このバカたれ翔真が!!!」
見下り半を突き付け、未茉は荷物を振り回し走りだした。