「まさかの全敗!?」

朝練では、昨日の練習試合の結果を橘から聞いた女子キャプの前原は、驚きの声をあげた。

「おお…王子には惨敗。大成とはわりと僅差だったんだけど負けたよ。」
面目ない…と落ち込むも悔しい表情を浮かべる。


「王子と大成はどっち勝ったの?」

「王子だよ。王子の二勝。健が入らなくとも圧勝さ。俺らも一皮も二皮も向けないとあの二校から全国を奪い取ることはできない。」
ウィンターカップの予選はも月末に迫っている中、女子も男子もかなりのスキルアップが求められていた。

「女子も白石の復帰はいつだ?」
「今週の予定。だけどアンダー18に行っちゃうからあんま練習する時間なくて。」
「そうか…!」
「でも、その前に」
「?」
何かを考えてたかのように、一年のシュート練習の中に前原は入っていった。

「村越。」
「はっ…ははい!!」
キャプテン前原に呼ばれてすぐに抜け出し、おどおどしながら駆け寄ると、
「あのさ、白石んちのクラブリーグってまだあんた続けてるの?」
「あ…はははい…すみません…」
「いや、謝るんじゃなくて、高校生ってまだ空きあったりする?」

「え…」