「結城、ちょっといいか?」
「あんだよ…」

未茉は次の日の朝、結城を体育館の裏庭に呼び出すと、がばっ!!と地面にひれ伏せ土下座をして、
「!?」
「あたしを思う存分殴って蹴って好きにしてくれ!!」

「はぁっ!!?」

「莉穂のことでお前を殴ってしまったのは、マジで悪かった!!!あたしが莉穂に代わってその落とし前をつけてやるって決めた!!」

「…」
「あたしは逃げも隠れもしねぇから、思う存分殴れっ!!!」
土下座していた顔をあげて、胸を張りなんでもかかってこい!状態の未茉に、

「…いいんだな?俺お前に三発は殴られてっからな。しかもこの美貌を腫らすほどのな。」

「あっ!!?」
「あんだよ!?」
「ごめん。よく聞き取れねー単語があったからよぉ。」
「美貌だっ美貌っ!!!」

「キタロータイマー!!」
「はいっ!!」
突然現れたキタローは、素早くタイムウォッチを用意する。

「拙者、もうすぐ復帰がかかってるので、手足を覗く顔だけで、制限時間は三分で宜しくでござる。」
武士のように凛々しくあぐらをかいて堂々といい放つが、

「おい・・普通逆だろ・・。女なら顔はなしだろ。」
ずこっとこける結城は呆れてると、

「いいのか?結城…。今から三分、好きなことできるんだぜ。キスしても大丈夫、抱き締めても、◯◯しても、◯◯しても、あれもこれも…」
耳元でキタローはニヤリと己の欲望をかきみだすような誘惑を囁きだし、

「おいっ!!やっやめろよ…!!だっ…だっ誰がこっこんな奴の」
「慌てるところが昔から怪しいぞ結城。」
(やはり…と)
疑惑の眼差しをむけ確信するキタロー・・。