ザバザバァァァアーー…
一方、体育館の外では校庭の蛇口から溢れる水を頭から被る未茉に、
「未茉…?!」
その声にハッとして、顔をあげると、
「莉穂!」
「目、真っ赤だよ。どうかしたの?」
「なんでもねぇーよ。あ、試合終わったか?」
「うん。さっき終わって…未茉の姿探したんだけどいないから。応援しなかったの?」
「もうすぐ復帰だし、人の試合見てる暇なんかねぇ。練習しねーとな!」
タオルを被りグシャグシャっと濡れた髪を拭く。
「莉穂、結城と別れたってな。」
「え」
「あたしのせいだろ?」
「違うよ。ただ別れようって言われて、うん。って返事しただけ。」
「あたしって傲慢か?」
「え…?」
「結城がいい奴って痛いくれぇ分かってる。なんてたってあたしのダチだし。でもお前を幸せにはできねぇって、決めつけて許せなかった。」
「…」
「結局あたしって人の気持ち考えずに自分の都合いいように人を動かそうとしてんだな。」
「未茉…違う。」
「え?」
「私、最低なの…」
「?」
「確かにバスケに集中したいって言って駿君と別れたのは私。まるで私とのことなんかまるでなかったかのようにバスケに打ち込んで、学校でも話も連絡もしなくなって…」
学校で廊下ですれ違って、他の女の子と話したりしてるのを見てる姿を見て、本当にこうして別れてよかったのかって…
「寂しかったの。」
溢れるような涙を溢しながら、莉穂は声を詰まらせた。