TIPOFF!! #LOVE WINTER




「なんだよ。お前湊のこと好きなくせに俺にもずっと好きでいてほしいんだろ?」

「…!」
「両方手に入れる一番いい方法だろ?」

その減らず口を止めるかのようにひっぱ叩こうとした未茉の手を、健は掴んで止める。

「わりぃけど、叩かれる覚えもない。」
「…!お前…そんな奴だったけ…?」

「ああ。そうだよ。」
「…」
「神崎妹ってさ、ちょっとお前に似てるんだよな。ワガママで甘えん坊で強気で。」
「やめろよ…!」

“あの実湖って子ちょっと未茉に似てるね”
莉穂の言葉がよみがえった。

「でもお前と違ってガキではないから、お前じゃできねぇことも相手してくれるし、代わりにもなるしな。」
「てめぇ」

「そんな顔でキレられる覚えもねぇーよ。お前俺の何見てた?兄貴としての俺は、優しくてなんでもワガママ叶えてやったよな?」
ペラペラと口先だけが動くまるで知らない男のような健だった。

「でもな、男としての俺は所詮こんな奴だよ。傲慢なお前といい勝負かもな。」

涙がーー溢れ落ちた。
悔し涙がはらはらと。

「ガキ、泣くんじゃねぇ。」
冷たい言い草で、健は未茉の顎を掴みあげ唇を近づけてくる…が、

「嫌いになれたぜ。男の健。じゃあな。」

未茉は色んなものを振り払って歩き出した。