「うっわぁー!!すっげぇ人だかりっ!!!」

外練で部活は解散になったが、グラウンドのゴールで自主練をしていた未茉が体育館にやって来た頃には、出入口も人に溢れ返っていた。

「すいませーーんっ!ちょっと中入れてぇー!」
満員電車並みの人の群れの中をなんとか入っていくも、
「ちょっと押さないでよ。」
「痛いわね。」
見たこともない他校の女生徒達が無理やり入ろうとする未茉を睨み出す。

「ちょっとあれ、白石未茉じゃない?」
「ほら七光りの…」
「あー桐生君と…」
好奇の目でひそひそとこちらを見ながら言われ、
「こえぇな・・・」
いずらくなり足早に退散する。 

ドリブルとブザーの音と歓声が聞こえてくるのでどうやら賑わってるらしいが、
「くっぅ…!」
ジャンプしても中の様子は伺いしれない。

「全然っ…見えねぇ・・・。っーか中にも入れねぇな・・・。」
自主練行かずに場所取りするべきだったなぁ…と反省してると、

「きゃあっ…!」
人波に押されて、目の前に他校の女生徒が倒されて転びそうだったので、
「お、大丈夫か!?」
体を張って未茉が受け止めると、
「ありがとうございま…あっ!!」
「??」
急にその子は未茉の顔見るなり驚いた声をあげ、
「白石さん…ですよね?」

「おお…そうだけど…あれ、知り合いだっけ?!」
見覚えのない女の子に名前を呼ばれて記憶を呼び起こすも、
「あっ、すみません…彼から白石さんの話よく聞いてて。あ、湊君や結城君からも…」

その小柄で品のある清楚な女の子の正体は、