入った!!


そうーー思われたそのシュートは、リングを転がったのち、落ちてしまい、水越にリバウンドを取られてしまった。


崩れ落ちるような落胆の声が響き…、

その時、時計は一分を切っていた。


残り50秒、エマが中へ切り込み、石井のファウルを誘ってのバスカン。
「「うわぁぁぁあ…!!」」
最後の最後まで勝負どころを必ず決めてくるバスケの女神様、エマ。
それはこの日の会場で一番の大歓声だった。

フリースローを打たれてる間、田島の頬には涙が伝っていた。
静香の目にも。
それを見たベンチのみんなも。

石井はファウルアウトで退場となり、コートを後にするも、ベンチからは拍手で迎えられ、今にも泣き崩れそうな震えた揺れる肩を
「よくやった…よくやった!!」
と涙を浮かべる神崎に強く抱き抱えられていた。

東京のオフェンスが回ってきて、田島がシュートを決めるも、追い付かず。


46対56


試合終了のブザーが鳴り響いた。
「「愛知県、準決勝進出!!」」