「よし!明徳全勝するぜ!!」
「「おお!!!」」

体育祭明けの週末、明徳高校の体育館では緊張ムードに包まれる中、キャプテン橘からの号令にいつもより何倍も気合いの入った掛け声が男バスの部室には響いた。

本日は、東京内最強校同士三校の男子の練習試合が開催される。
ウィンターカップの東京代表のたった一枠しかない一席を勝ち取る為の本番さながらの練習試合に朝から緊迫した状態だった。


「この三校の試合が見れるなんて楽しみな試合ですね!」
「さて、どこが勝つかな?」
オープン会場の為、バスケット雑誌の取材記者達もこぞってやってきて、勝敗予想をたてて話したり、アップする選手達にカメラを向ける。

「エースの湊君は相変わらずユルいなぁ…」
明徳の中で一番フラッシュが向けられる当の本人だが、全く緊張が感じられず・・やってきた小倉記者も苦笑いだ。

・・・それどころか、

「あー…嫌だな…」
思わず本音がぽろり。

「何がだよ。」
頬が腫れて湿布を貼られてる不機嫌な結城が突っ込むと、
「ぷっ。」
その顔を見て思わず吹き出し、

「まだアザ治んないの?」
「治んねぇーんだよ!!お前の女じゃなかったらボッコボコに殴り返してるとこだからなっ!!!」
「よかった♪俺の女で。」
「言いたいだけだろ・・お前嬉しそうに笑ってんな!!」
「あははっ」
まるで他人事のように笑う翔真。