「あたし、こういうことは翔真とすると思ってたから。」
芯のある真っ直ぐな目で未茉は、翔真の首に手を回し抱きつきながら伝えた。
「やり方とかよくわかんねぇけど。教えてくれればなんでもやるよ。」
「うわ…」
先手打たれたように、やられた・・・と思わずTシャツの中に入れていた手を抜いてしまった。
こう健気に言われたら紳士に務めるしかない。
「?」
反面、きょとんとした顔で見上げる未茉をこれほど愛しいと思ったことなんかない。
ーーぎゅっと思わず胸の中に閉じ込めるように力いっぱい抱き締めていた。
「なんもしないの?」
ただただ抱き締める翔真に未茉は抱かれたまま尋ねる。
「好きにしていいって言うからこうして抱き締めたの。」
「ふーん。」
「ふーんって・・物足りなそうに言うとマジで襲うよ。」
「だからいいって。」
「待った聞かないよ?」
「血が出るくらい痛いから?」
「・・・え?」
「静香が言ってた。未茉なら痛すぎて翔真ボコボコに殴るんじゃないかって」
「あはははっ!!」
思わず笑ってしまうと、
「でもお前はしたいんだろ?」
「そりゃ…ね。」
なんだこれ。どうしたらいいのやら…と収集がつかなくなるが、
「でも一番は俺だけのものにしたい。」
「…」
「誰にも見せないでほしいし、俺だけにしてほしい。」
「分かった。」
軽く返事するように聞こえたので、
「え、本当に分かってる?」
「分かってるよ。誰にも裸見せんなってことだろ?」
(なんか簡潔にまとめられた気がする・・。)
「そうだけど、後よそ見もしないで。」
「ん?」
「健さん。」
「ああ…あれは」
「俺だけ見て。」
言い訳すら聞かずに、未茉の両頬に触れて持ち上げて自分の真剣な目を彼女の瞳に映し、
「見てる。」
おでことおでこを合わせながら二人は向き合うも、ゆっくりと唇へと近づき重ねていく。
甘くゆったりとした時間が流れ、お互いの想いを確かめあうようなキスを交わした後、ただただ名残惜しい時間だけが流れていくも…
「翔真…あのさ、」
言いずらそうに彼女は口にした。
「ん?」
「さらし巻くの手伝ってくんない?」
「え・・・」
それは予期せぬお願いだった・・・。



