「なに、なんだよ。」
見上げると翔真はらしくない怖い表情で見てきたので何やら怒ってるのは分かり、険しい顔を浮かべ、
「離せよ!」
手を振り払おうとするも、
…トン!と壁に体を押し付けられた。
黒のTシャツの上から形が出ている胸を翔真の指がなぞるようにそっと触れる。
「やめろこのスケベ!!」
驚いたのかびくっ!!と体を震わせ、みるみる真っ赤になっていく顔をそらした。
「…これでも誰も分かんないって?」
「っ…やめろよ!!」
力を入れて翔真の体を押し退けようにもびくともせずに睨むと、Tシャツの上から指先でさらに触れ纏う。
「やめろっ…て言っ…!!!」
真っ赤になって思わず翔真から視線をそらすも、彼女を逃がさないように体は角に追いやられ、されるがままだ。
「みんな見るに決まってるじゃん。」
「分かったから!!もう触んな!」
振りほどこうとすると、
「やだ。」
「え」
聞き返す未茉の唇が開くと、くいっと顎を持ち上げられ、いつもよりもずっと熱っぽい翔真の唇に強引に塞がれる。
「そんな格好で前にいられたら、たまんない。」
「!!」
胸元にある親指がシャツの上からくっきりと浮かび上がる突起を押し動かされ、唇を離そうとするも、翔真は逃さないように舌を絡めてくる。