「あっ!!米田!!お前もまさかあたしと同じレースか!?」

隣を見ると米田が同列で並んでいて未茉は思わず睨むと、
「フンッ」と睨み返されそっぽを向いた。

「米田は青か。ぜってぇ一位取らせねぇからなっ!!」
未茉は並々ならぬ意気込みで、スタートラインに着くと、
とんっ…!と軽く肩が当たっただけで、
ドンッ!!と未茉は肩を当て返し、

「「コイツ・・・・」」
再び両者バチバチッと火花を散らしあいながら睨む。


「位置についてよぉおい」
パァンッ!!とピストルの音が響き、一斉に走り出す。

最終レースは早い者同士なので競うようにトラックの内側争いをして、陸上部の米田の肩が未茉の体にわざと当てると、
「この野郎!!」
得意のスクリーンで相手を内側を譲らない。

「くう!!」
お互いがやり合う中、エンジンがかからない翔真は二人の次にのんびりと走り出す。

未茉と米田がほぼ同着でネットの中を潜り這いつくばるように出口へと急ぐも、
ゲシッ!!とわざと米田は未茉の方へと靴で蹴って、砂ぼこりを舞わせた。

「いってぇ!!この野郎ぉ!!」
目を擦りながら未茉もやり返しにかかり、ネットの中で二人は暴れだす。