午前の種目が終わり、得点版は白が一位で、紫は二位を表示していた。

「よし!!まだまだここからだなっ!!逆転するぜ!!」
続いて一年女子の借り物競争を前に鼻息を荒くした未茉が腕捲りをしながらスタートラインに立つと、
「がんばれー!!白石!!」
キタローが特製の大きなメガホンで未茉を応援する。
「おう!!任せとけ!!」

「キタロー・・お前、白チームだろ。」
みんなが呆れながら注意するも、つーん!とそっぽ向いて無視し断固として言うことを聞かない・・・。


パァンッ!!
スターターピストルの音と共に走り出すと、
「「うわっ・・早すぎ・・」」
同レースの女の子達をごぼう抜きして未茉はダントツトップに躍り出る。

平均台に、一輪車、障害物をこなしていき、借り物が書かれたベタな紙を捲った。
「ん、なになに?」

【背が高い人(175センチ以上)】

「おおっ!!!こんなのアイツらしかいねぇな!!」
結城と三上は逆側で遠かったので一目散に翔真の元へ向かうと、
「おい!!翔真っ!!行くぞ!!」
白の応援団のところにいる翔真を呼びつけるも、

「ダメだ!!白石!!お前を勝たすわけにはいかない!!翔真は渡さないぞ!」
行く手には橘が立ちふさがり、翔真を渡そうとはしない。

「くぅ……あ、矢野さんだ!!矢野さんでもいいや!!お願いおねがぁーい!!」
そこで女バス唯一の175cmの矢野を見つけ声をかけるも、

「でもいいやだぁ?!っーか!紫のあんたの協力なんか誰がするか!!」
「ぬぁんでぇっ!!?同じチームメイトなのにぃぃ!!」
うあぁぁーん!!と泣き出す未茉に、
「体育祭では敵だから!!いい!?あんたは天敵よっ!!!」

「てっ・・・天敵っ・・・」
まさかの冷たい仕打ちにショックを隠せない未茉。