(抜けない…!!)
横から前に入ろうにも距離が空かないため無理にはいけず米田も困っているも、
(米田さん早いっ…!!)
互いに抜かすほどの距離を保てないがゴールの結城を目指して、なんとか前に出たいと焦ると、
「あっ…!!」
腕がぶつかり合い、村越は気を取られ足がよろけてしまう。
「あっぶねぇっ!!」
それに気付き大声をだすと、べたんっ!と転んでしまった。
『あああっーっとと!!バスケ部転倒です!!!その隙に一気に陸上部、突き放しにかかります!!』
「あ…」
痛さよりも何よりもーー、
「ぁぁあ~~~~…」
がっかりとする声と、人々の白い目、遠くなっていく米田の背中と、やっぱりみんなの沖縄の夢を自分が打ち砕いてしまった自分自身への失望感に、
涙で滲む視界から起き上がれずにいると、
『ぬぁにやってんだぁぁぁあ!!起き上がれぇぇ!!村越ぃ!!!』
「「!!?」」
実況委員から取り上げたマイクから未茉のバカでかい声が校庭中に鳴り響き、
「うっるせぇっ!!」
皆のものはキィーンッと耳鳴りする耳を塞ぐ。
「…!」
村越も思わず未茉の声に、しゃきぃん!!と立ち上がる。
『逃げんなよって言ったよな!?走れ!!早く走るんだぁぁ!!!』
ーー逃げんな!!ーー
いつも未茉に言われてる言葉…
“立ち向かえよ。あたしがいんじゃん?”
“あたしがいんじゃん?”
それが過ると、村越は前を向き、一気に駆けあがった。



