『いよいよ始まりましたぁっ!!毎年熾烈な争いを繰り広げられる部活対抗リレー!!』
実況アナウンスの熱の入った声に生徒達も声をあげて応援する。

『おおっと!!バスケ部女子矢野さんと陸上部伊藤さんが早速並んでおります!!早い!!めちゃくちゃ早いです!!いよいよ、男子にバトンが受け渡します!!』
横並びでゴールへと走ったが、バトンの受け渡しがやはり陸上部に分があり、

『おおっとぉ!!ここで一気に陸上部が一位に躍り出ましたぁ!!続いてバスケ部、サッカー部…大差はありません!!』
「いけぇぇえっ!!三上ぃぃいっ!!」
跳び跳ねて未茉は声の限り応援をする。

『陸上部は二年男子、マイケル君!南アフリカのハーフで今年も全国大会出場者です!!ぐんぐんと二位三位を追い越していくがぁ、おおっと!!バスケ部サッカー部も必死に後を追います!!』

「でもはえーじゃん!三上のやつ!あのむっちゃくちゃはえー陸上部の奴にそこまで突き放されてないじゃん!」
「三上は中学時代バスケ部と陸上部掛け持ちしてたし、駅伝では東京大会も出てるんだ。」
未茉にタオルと水を用意するキタローがその凄さを物語る。
「へぇー!!アイツ一年の中で一番スタミナあるしな!へっぽこ結城と違ってよ!!」
⚠️結城達男子は逆側のハーフからのスタートなので悪口が聞こえてない。


『さぁいよいよ三走目!!依然としてレースは陸上部の独走が続いてましたが、二走のバスケ部とサッカー部、そしてバレー部が追い上げてきましたぁぁ!!』
「ぅおおおっしぃ!!前原さぁぁあんいけぇっっ!!!」
未茉が声を振り絞り、キタローも顔を真っ赤にしながら楽器で応援しだす。


『そして四走目にバトンが受け渡りましたぁぁ!!おおっとぉ!!ここでバスケ部サッカー部が一気に陸上部に詰め寄ります!!バスケ部二年橘君早いッ!!』
「はぇぇっ!!橘さんっ!!」
さすが!!といわんばかりに陸上部の一年の背中を捕らえて、

『ぬ…抜かしましたぁぁあ!!!ついに!!バスケ部が陸上部を抜かしましたぁ!!』
実況アナウンスを思わず声が裏返るほどの驚きに
「いよっしゃぁぁぁあ!!沖縄が見えてきたぜ村越いっ!!」
がしっ!!と村越の肩を組み跳び上がる未茉からの多大なるプレッシャーに押し潰れそうになる・・・・。