「むっ…」
入場口には、米田の姿があり未茉に気づくと互いに睨みだす。
「え、まさかあんた五走?」
米田の横に並ぶのは、村越であった。
「うっ…」
まさか米田と同じレースなんて…と緊張と恐怖で心臓がばくばくと高鳴りを迎える。
「ちょうどいいじゃねーか!!正々堂々と米田に勝つチャンスなんだから、逃げんなよ!!」
願ってもない対戦を楽しむかのように未茉はニヤッと微笑む。
「陸上部がバスケ部に負けるわけないじゃない。」
バカ言わないで。と睨みをきかすと、
「そうよ。我が陸上部は本校の体育祭始まって以来、一位じゃない歴史なんてないんだから!!」
聞き捨てならない。と陸上部の女子キャプテンが腕を組みながらどや顔で言い放ち、
「バスケ部のプリンセスだか、サラブレッドだか知らないけど、バスケ部はボールだけ転がしてればいいのよ。」
「は?」
あまりの言い草にカチン、と来たのは、未茉ではなく、
「誰がボール転がしてろだって?」
「せいぜい今のうちにデカイ顔してな。ゴールで泣き面食らわしてやるから。」
負けず嫌い矢野と前原コンビだった。
「いいぞぉ!!」
未茉はやれやれっ!と拍手しながら、バスケ部対陸上部のキャプテン同士対戦を煽る。
『位置について~』
そして睨み合いも終わり、あっという間にレースは始まり、
『よぉおおいっ』
パァァアンッ!!とピストルが鳴り響くと、大事な第一走がほぼ横一列で駆け出した。



