「いぇーいっ！！一着ぅ！！！」
なんの心配もなくぶっちぎりの一位で未茉は両手をあげてテープを切った。
「はやっ・・っ！！」
まだ走っている米田は遥か先の未茉に度肝を抜く。
『早すぎです！！バスケ界のプリンセス白石未茉がぶっちぎりの一位！！紫一位です！！』
「「ひゅーっ！！！」」
メガホンで叩き鳴らすのは即席結成されたキタローと村越の白石応援団だ。
「こえー・・・あの二人陰気くせぇ・・」
各色応援団も二人の迫力にビビっている・・
「くそっ…っ！！」
ゴールするも、はぁはぁっと息切れする米田の前に未茉は仁王立ちになり、
「さぁ、謝りたまえ！！」
どや顔で敗者が平伏すのを待つ。
「わっ…わかったわよ！！悪かったわよ！！」
ふんっ！！と鼻息を荒立てながら、そっぽ向いて謝る。
「「おおっ！！謝ったあの米田がっ」」
皆も驚きが隠せなかった。
「よしっ、じゃ許してやっか！」
未茉は笑顔になり、仲直りの握手を差し出すも、
「まっ…まだ部活対抗リレーがあるから！！勝負の続きはそれからよっ！！」
素直になれないのか、握手を交わすことなく照れくさそうに走り出した。
