「おしっ!!一発目は短距離走かよ!よっゆーだなっ!!」
早く走りたくてウズウズしている未茉は体操服を羽織りながら戻ってきた。
『さぁ!続いては一年生による短距離走です!』
校内実況のアナウンスが種目を告げると、生徒達は並びだす。

「白石さん化粧凄い可愛い!いつもすればいーのに」
見違える未茉の姿に相沢が褒めると、
「そうか?ちょっと痒いけどな。」
「えー、可愛いよね?湊君!」
わざと相沢が後ろの翔真に振り、
「うん。」と、頷くもどこか上の空だ。

(ノーブラ…)
彼は未茉の胸にしか視線がいかない・・。
(服の上からだし見た目じゃ分かんないな…)
透視でもできるのかというくらい細い目でピントを合わすも分からず首をかしげてる。


「あ!!」

同レースにいた米田と未茉は目があった。
女子の最終レースにいるということは、それなりに早いってことだ。

「お前と一緒かよ。」
「言っとくけど陸上部だから私。あんたなんかに負けないわよ。」
「おう、じゃ走りがいがあんな。」
バチバチッ…と火花を散らせ睨み合うと、

「もしあたしが勝ったら、体操服のこと謝れよ!!」
「なっ…なんのことよ!!」
「とぼけんなよ!ジュースまみれにしたあたしの体操服だよ!!」

「うっ・・分かったわよ。じゃ、こっちも私が勝ったら…BIG3でデートするようにセッティングしてよね!!」

「「へっ!?」」
思わず未茉も相沢も、聞いていたBIG3も驚く。

「そもそも、それ狙いだしね。私が勝ったら貸して貰うわよ。湊君。」

「じょっ・冗談じゃねぇよ!!!誰がお前みたいな女に」
「勝った方がなんでもいうこと聞くんでしょ?」

「おい白石!!!勝手に…」
「俺嫌だよ…絶対」
結城と三上は自分勝手に始め巻き込まれる女の勝負に難色を示すが、
「心配すんなよ!!お前らの身はぜってぇあたしが守るから!!!」
自らの胸を強く叩き、豪語する。

(心配だ…!)
全く話を聞いていない翔真だけは未茉の胸を見て眉をひそめている。