「ぷっあはははっ!!」

男子更衣室では、翔真の応援団着の刺繍を見ながら大爆笑する結城に口元を引きつらせる三上。

「お前、それやべぇだろ?着んの?」
「・・・着るよ。」
しかも絆創膏だらけの未茉の指先を見たら一生懸命縫ってくれたんだと思うと、男としては着ないわけにはいかない。

「まさかあの母ちゃんに縫われていたとは・・・」
「まぁ、健さんって縫われてなくてよかったな!!」
あははっ!と笑いながら冗談で言うと、

「・・いや、今タイミング的にそれ笑えない冗談だからやめろ。」
冗談が通じず少し不機嫌になった翔真に、
((まだ仲直りできてねぇんだな・・))
二人は心中を察する。

「なぁ、女子の応援団着のさらしの下ってノーブラかな。」
「マジかっ!?やべぇ!!」
あっちこっちから男子達の妄想が膨らみ弾んだ声が聞こえてくる。

「マジかよ!!前原さんとか鈴木さんもノーブラだったりすんのかな!?うわ脱がせてぇ・・・」
それに便乗した結城が妄想を膨らませる。

「そんなこと間違っても白石の前でいうなよ・・。またぶん殴られるぞ。」
「あ?!あんなペチャパイに俺はなんの夢も持てねぇよ!」
三上の忠告に結城が噛みつくと、着替えながらゴツン!!と翔真の肘が入る。
「あ、ごめん結城。」
「イッてえ!!翔真てめぇわざとだろ!!」

(ノーブラ・・・まさかな・・・。)
もうすでに応援団着には何も抵抗もなく、脳内は未茉のノーブラのことで頭がいっぱいだった・・・。