「ん?」
何か言いたそうな翔真を覗き込む上目遣いにも、

「可愛いくてあんま長く見れない。」

口元を押さえながら少し視線をそらした。
「は?」
もちろんまるで分かってない未茉は、
「まーだ怒ってんのか!?」
「…いや…うん。まぁ。」
次期彼氏の威厳は保たないと思い、一応言っておく。

「じゃこれで少し機嫌直せよ!!」
その姿に気づいて、村越も遠目から嬉しそうに見守る。

「あのな、お前の応援団着はあたし縫ったんだよ!!」
「えっ!!そうなの!?」
もちろん思っても見なかったことに目を見開いて驚く。

「おう!お前が喜んでくれっかなっと思ってよ!!」
「そりゃ嬉し…」と目を輝かせてバッグから衣装を出し、
「じゃっじゃじゃーん!!♪」
嬉しそうに見せつけると、


「「えっ・・・・!!?」」

翔真を始め、みんなからの視線が驚きひきつったものとしてこちらに向けられて
「ん??」
何か違和感を感じて、未茉もその視線の先を確認すると、
「えっ!?」
ばっちりと仕上げられた応援団着の背面には、大きな刺繍で
【湊翔真♡白石未茉 BIG・LOVE】
とハートの刺繍だらけに縫われていた。

「はぁぁあ!!?なんじゃこりゃぁあ!!?」
全く身に覚えのない刺繍に未茉は悲鳴をあげると、

「うん…ありがと・・大切に着るね…」
「ちげぇっ!!あたしじゃなっ・・」