「アイツ、ふて腐れてるからって三時間も授業サボりやがってよ!!」
イライラしながら未茉は、昼休み体育館で自主練をしていると、

「あ、村越おっせぇじゃん!!」
「す…すす…みません!!応援団の衣装を仕上げてて…」
「あ、そっか。」
「あああ…あの、」
いつにもまして何か言いたげに吃り始めるので、
「なんだ?どうした。」
「もっももし…ご迷惑でなければのごっごご提案なんですが」
「あぁ!?声が小さくて何言ってるか聞こえねーよ!!!」
大きな声を出して近寄る未茉にびくっ!!として、小さくなる村越・・・。


「ごっごめんなさっ…あっああの…これ」

震えながら取り出したのは、翔真の分の応援団の衣装だ。
「あっあああ後は…縫うだけになっななってます…よっよよかったら未茉様が縫われては…」
「あぁ?!お前面倒くさくなったからってあたしに手伝わせる気かよ?!」
「ちっ!!ちちちがくて…みみ湊さんはみみみ未茉様に縫ってもっもらったら喜ぶかと…」

「え?」
「そそそうしたら…みみ未茉様も…嬉しいかと…」
「そうかな…翔真あたしが縫ったら喜ぶかな?!」
「はっはははい!!ぜっぜったい…喜ばれます」
「でもあたし縫えねーしな。」
「ごっご迷惑じゃなければおっ教えます…」
「本当かっ!?じゃ、縫うかな!!お前もそう言ってくれたことだし、アイツも喜ぶならよっ!!」

「はっははい!!」
(お役にたてた上に未茉様といれる時間が増えて嬉しい…)
天にも昇る気分の彼女を未茉は見ながら、
「お前、それ縫ってたってことはまた授業受けてねぇの?」

「…!」
“お前の居場所なくすから。”
米田に言われたことと、相沢に疑いを持たれてしまったことで、もう教室にはいられなくなり表情を曇らせた。