(やばい…寝過ぎた・・・。)

いい天気の屋上で一時間だけ寝るつもりが、三時間も爆睡してしまった翔真は、頭をクラクラさせながら教室へと廊下を歩いてると、

「湊、村越と授業サボってたって本当か?」
隣のクラスの男バスの部員達に声をかけられる。
「え?少しだけ話したけど…」
「噂になってるぜ?」
「えー…??」
一体どんなことが噂になってるのかよく分からずにいると、

「湊君!!ちょっと来て!!」

廊下で相沢が翔真を発見すると、勢いよく取っ捕まえて引っ張り出す。
「えっあ…相沢さん!?」
階段の踊場に移動すると、何やら言いたいことを溜め込んで怒り噴火寸前の相沢が睨んでる。
「え…なに?そんな怖い顔してどうかした?」

「私が怒ってることに検討つかないの?」
腕をくんでため息つき、自白を促すも、
「え…ごめん。全然…」
「しらばっくれる気!?そうだとしたら、湊君への信頼ゼロになる!!」

「!?」
「気づいてないと思ったら大間違いだから!!私見たんだから!湊君が村越さんが抱き合ってるとこ!!」

「えぇっ!?」
この時、初めて翔真の眠気は完全に覚めた・・。


「ほら動揺してるじゃない!!いい?見なかったことにしてあげるから、もう村越さんには近づかないで!!」
「ちょ、ちょっと待って…動揺したのは、身にまるで覚えがないことで…」
「はぁ!?とぼけるのぉ!?さっきだって堂々とクラスまでお迎えに来て二人でサボっちゃって!!」

「いや・・・ちょっと待って。落ち着いて話させて。」