TIPOFF!! #LOVE WINTER





その頃、翔真は昨日拾った村越の布を届けに隣のクラスへと顔を出した。

「え…湊君だ…」
「本当だ、デカッコいい!」
ドア越しに覗きこむだけでクラスの女子達はそわそわとざわめく。
「うちのクラスに来るなんて珍しいね。誰に用なんだろ。」
クラスに入ってきた翔真の姿を視線で追い続けると、


「村越さん。昨日大丈夫だった?」

「!!?」
机に座り俯いていると目の前の高いシルエットに首をあげて驚き、
「わわぁぁあっ!!」
慌てて立ち上がると、机がぐらつき中身が出てしまう。
「大丈夫?」
散乱する教科書を拾うと、

「え…」
開かれた教科書には赤字のサインペンで“泥棒猫”と書かれたものがあった。
「これ…」
思わず手を止めてしまうと、村越は勢いよく教科書を奪い取り、
「ああっありがとうございます。私授業始まる前にトイレへ行くので」
何もなかったように急いで机にしまい、教室を飛び出す村越を、

「ちょっと待って。」

翔真がその跡を追いかけた。