「おおっ!!すげーなぁ!!もうこんなに縫ったのかよ!?」

朝練に来た村越が重そうな荷物を抱えてやって来たので中身を見てみると、もう四着も縫われていた。

「はははい…ミシン好きなんです。こここうむむ夢中になれるっていうか…」
「へー!すげぇな。あたしバスケ以外で夢中になったことねぇな。!っーか、お前朝練もあってこんなに縫って寝てねーんじゃねーか?!」

「いっいえ、ぜぜ全っ然です!!むしろ今すす凄く楽しいです…がが学校に行くことができて、みっ未茉様とバスケができて…私今が人生で一番幸せかもしれません…!!」

真っ赤になってうつむきながら一生懸命の村越の言葉が嬉しくて、未茉は彼女の前髪をくしゃっとかきあげて、
「おう、サンキューな!!そんな風に素直に誰かに言ってもらえてマジ嬉しいぜ!」
眩しいほどの満面の笑みが村越の心をきゅんとさせ、嬉しくて涙がこぼれる。

「げっ、泣くな。」
「すすすみません…!!」

「あ、泣かしてる。」
朝練にやって来た翔真が冷やかすと、
「うっせぇーな!あっ!!そうだ!見ろよ翔真!!村越がもう応援団の服縫ったらしいぜ!」
「えっ!?もう」
「ほらっすっげーかっこよくね?!着てみろよ!」
ひらりっと出して翔真に見せると、

「あ……うん。」

「ん?どうした?」
なぜだか翔真は言葉を詰まらすと、

「俺はサイズ合わなそう・・・。」
ごめんでかくて・・・ともらす。

「すすすっすみません!!盲点でした……もし迷惑でなければ後で採寸を…」
「うん。よろしく。」
「あははっ!翔真でっけぇからな!!」