ーーバッシュッ…!!

「千百三十二…!!!はぁはぁはぁ…」

公園のリングで連続で打ち続け合う未茉もさすがに息切れをしてきて、
「し…白石さん…!!少し休みましょう…!!このままじゃ右手もダメになります…!!」

汗だくで疲労で体を丸めて、しゃがみこむ未茉に駆け寄り、

「あ…のっ飲みもの…買ってきます…!」
ボールを持ちながら自販機へと村越は走った。


「はっはぁはぁぁ…あっちぃー……」

太陽の日差しを浴びながら地べたに大の字に横たわり、心の中のむしゃくしゃをかきけすように息切れを整えてくと、

「だ…大丈夫ですか…?」
水で絞ったタオルを未茉のおでこに当てて、震えた手でアクエリを差し出す。
「ああ大丈夫。気がきくなお前」
受け取ったタオルがひんやりとして気持ちよく起き上がり、顔面につけながらあぐらをかく。

「っーかお前はなんで授業うけねーんだよ。」
「……」
困ったように俯き震え出すので、

「そんなに米田がこえーの?相沢さんとかうちの隣のクラスの女バスの奴みんないい奴だぜ?」
「…はい…いっ…いい人すぎてうまく喋れなくて…無言になってしまって…空気乱してるような…気がして…」

「なんだそれ。意味わかんねー」
鼻で笑いながらゴクゴクと豪快に飲み干すと、
「…いや、分かるか。」
はた、と缶を持つ手が止まる。

「え…?」
意外な返答が帰ってきて村越も顔をあげる。