「やっぱり厳しいか…」
「奇跡が見えた気がしたけどな。」
「白石清二の娘って一面飾りたかったなー。」
「ああ、桐生君ともいいショット取れたしな。」
懸命の追い上げにも関わらずエマのシュートで記者席も、勝負が見えたと溢す。
「まだ分からないよ…頑張れ白石君。困難こそが君の強さになり、仲間の力になる。」
会場は諦めムードだが、カメラを持つ神様小倉記者だけは一人祈っていた。
(しかし、本当に強いチーム。名古屋第一…。
王者らしく、落ち着いてる。伊藤なんてゲームの最初から最後までポーカーフェイスだ。)
石井は多分高校バスケ女子一番の高さを誇る伊藤につきながらそう思った。
エマから来るパスに誰よりも早く反応して、リングへ押し込む。
慌てさせることもできない自分に腹が立っていた。
(白石や田島や静香、前園でさえ相手を翻弄してるのに…
ファウル4つでみんなに迷惑かけて何もできないでどうする!!?)
エマのパスを中で伊藤は受けとると、
「させない!!」
これ以上点差は広げられない。と石井は打たせないように全身を使い、意地でもリングへの軌道シュートは打たせなかった。
ジャイコも水越もゴール下で激しいスクリーンアウトを繰り広げた。
愛知もこの一本で留目をさしたかったのだろう。
何度もこぼれたボールにタップシュートを打ち押し込もうとするが、静香もユリも加わり、必死に阻止し続けると、
ピー!!
ボールは、愛知の選手の手からサイドラインを割って、東京はガッツポーズをした。
「石井さんナイス!!」
ゴール前の激しい争いにあっちこっち痛むも、頷く。



