「ちょっ…!!!白石!!」
驚く三上が立ち上がり結城を庇うように前に出る。

「大丈夫・・・。ちょっとした身内の喧嘩だから気にしないで。」
ざわめくクラスメイトに軽く翔真がジャブを打ち、大事にはしないように促す。

「別にお前にとやかく言われる筋合いねぇんだよ!俺が誰と付き合おうが勝手だろ?」
「ああ。勝手だね!てめぇがどこの女に刺されて死のうが自業自得だ。でも莉穂はあたしの女だからお前みたいなクズには指一本触れさせねぇ!!」

「誰がクズだこら。お前だって翔真以外の男とチャラチャラすんだろうが。」

「あ?」

「桐生とキスして、健さんにも未だにフラッフラする優柔不断女に説教される覚えなんかねぇんだよ!!」
「なんっつたっんだよ!!こらぁ!!」
再び未茉が結城の胸ぐらを掴みかかろうとすると、

「そろそろやめろ。マジ。」

未茉の手を翔真が掴みながら間に入ると、一瞬静まるも、

「なんで止めんだよ翔真!コイツ勝手に人のダチに手ぇ出したんだぜ!?」

「手を…ってでも東条さんが嫌がって無理やりでもないよね?」

「そういう問題じゃねぇんだよ!!!コイツの女に対する最低な付き合い方に言ってんだ!!」
「でもそれは当人同士の問題であって…」
「お前は莉穂の友達じゃねーからそんな他人事みたいなこといえんだよ!!!」

怒りの矛先が次第に翔真になっていくと、歯止めが聞かない言い合いなってくると、
「え…なにまた白石さん?」
「しかも湊君と…」
お騒がせカップルにまたクラスの不自然な視線がふりかかり、間に挟まれた三上もどうしていいか分からなくなってきた。