「知ってたっていうか…結城がなんとなく狙ってるのかな?とは思った。」
マジか…と思いつつも、冷静に受け答えた。
「ぬぁんであたしに黙ってるんだよ!?」
だが怒り沸騰の未茉にそのふわっとさは、通用せずバンッ!!と机を思いっきり叩くと、
「おはよー。結城君ーあれ、その頬どうしたのー?」
教室に入ってきた結城の頬には大きな絆創膏が貼られていて、クラスメートから尋ねられても、
「ちょっとな!」
仏頂面で受け流すように席へとやってきた。
「おはよ結城。その頬どうし…」
三上が聞き終える前に、
「言っとくけど、まだ話は終わってねぇからな。」
バッグを乱暴に置き無言の結城に未茉は睨みながら言った。
「あ?お前と話すことなんかねぇ。」
ーーガンッ!!
結城の机を未茉は蹴っ飛ばし、
ざわっ…何が起きたのかと教室中の視線が一斉に突き刺さる。
「てめぇ誰の女に手出したと思ってんだよ!!?」
胸ぐらを掴んで詰め寄る未茉の手を振り払い、
「あぁ?誰の女って、てめぇの女か莉穂は?」
「莉穂とか呼ぶんじゃねーよ!!」
(ヤクザ同士の喧嘩みたい・・・。)
次期彼女の取っ組み合いをそんな客観視をしてしまう翔真・・・。