「え、あの後そんな楽しいことがあったの?」

次の日の朝の教室で三上は、自分が帰った後に行われたパーティーの腕相撲大会話がツボに入った。

「全然楽しくないよ。未だに俺、右手イカれてる・・・」
匠に本気を出しきった後、健と戦った翔真は張り合ったものの、相当なる本気を出され負けてしまったのだ・・・。

「うっわ見たかったなぁ…で、勝者は?」
「清二さん。圧勝。」
「さすがだな。」

未だに現役なのかというくらい、勝者・健に対して一瞬で勝負つけて、

“おしっ!!まだまだお前らには未茉は嫁にやらんぞぉ!!!”
「って、ガッツポーズしてた。」
「そりゃカッコいいなぁ~。」
プライベートもいい意味で裏切る気さくでカッコいい清二に益々憧れを抱く三上。

「おっす。」
朝練が終わって不機嫌極まりない未茉が教室に入ってくると、

「おは…え、なに喧嘩?」
そのあからさまな態度に三上は思わず翔真に尋ねるも、無言の苦い顔をする。

「結城は?」
二人しかいなかったので睨むと、
「朝練来てないんだよ。連絡したんだけど。」
三上がそう答えると、翔真は何やら歯がゆい表情を浮かべてる。

「おい、三上。お前も莉穂と結城のこと知ってたのか?」

「え……」
ついにバレてしまったのか・・と思わず顔を強張らせ、翔真の方をちらり。と見ると、

“バレてしまった・・”
と、気まずそうに顔に書いてある・・・。