「おう!気をつけて帰れよ!」

今日は祝日なので午後からの部活に備えて帰る二人を玄関まで未茉は見送ると、結城がキョロキョロしながら、
「そういや翔真は?」
「二階で禅と裸で喧嘩しながら寝たぜ。」
「・・・。」
計画狂いを気の毒に思う二人だった・・。



「あれ。結城の奴、忘れもんじゃん。」

リビングを片付けてるとバスケ部のネーム入りウィンドブレーカーが脱ぎっぱなしで、
「まだ追いかければ間に合うな!」
未茉はすぐに後を追いかけた。

ダッシュで住宅街の角を曲がると
「え?そうなの…」
クスクスと笑いあう声が聞こえてきて、莉穂の声だと思い、
「おーいっ…結…」

角からぱっと顔を出し二人の姿を見つけると、

「!!?」

手を絡めながら、今にもキスをしそうなくらいに寄り添う二人を発見し、
「うぉぉおおおいっ!!!そこの二人ぃ!!!」

「きゃぁあ!!?未茉ぁ!?」
「白石!?」
思わずバッ!!と二人は勢いよく離れたが、

「ぬぁにしてんだよぉぉ・・・・」

今度は誤魔化せないくらい未茉の目には、ばっちり二人の姿が写ってしまっていたのであった。