玄関がパタリと閉まると、
「あーやっと静かになったな。」
ふぁぁっと未茉はあくびをしながら体を伸ばすと、後ろからぎゅっと包むように翔真が抱きついてくる。

「!」
「パーティーが終わったらって約束覚えてる?」

それを待っていたのか翔真は甘えるように寄りかかり、彼女の頭にキスをそっと落とした。


「片付いてねぇけどな。」
ワクワクしながらついてくる翔真を未茉の部屋に入れると、
「ん?」
「あっ!?」

どこからともなく、ぐがぁぁあ…というイビキに気づいて、パチッ!と電気をつけると、


「おわっ!!禅!?」

ちゃっかり未茉のベッドに入りこみ深い眠りについていた。

(コイツ・・・)

先回りをしていた野獣・禅に翔真は殺意しか浮かばない・・。


「急にいなくなったと思ったらこんなとこで寝てたのか。あははっ。」
幼い寝顔によしよし。と未茉は癒され、髪を撫でると、

「ん・・・?」
寝ている禅の妙な下半身の膨らみに気付き、翔真は勢いよく布団を捲ると・・

「おまっ・・・全裸っ・・・。」


「あー…待ってました。」
むくっと起き上がった禅は、準備万端と言わんばかりに未茉の手を引っ張り寄せて、ベッドの中に連れ込もうとすると、

「うわぁぁ!?つーかお前なんで裸っ…」

「東条ぉぉお・・・てめぇっ!!!」
珍しく声をあらげる翔真は殴りかかり、

「「キャンキャンキャンッ!!」」
その騒動に犬達も二階に駆け寄ってきて吠え出す。