「匠兄も健も帰るの?」

「おう。もう四時だぜ。」

いい加減眠いとあくびしながら、この時間まで清二に付き合わされ飲まされた二人は上着を羽織って、リビングを後にする。

「だよな。ありがとうな。」
「いや、こちらも凄い楽しかったよ。それじゃおやすみ。」
匠はそう言うと、一足先に玄関を出た。

「アイツ、いまだに俺らに謎の気を使ってんな。」
ぷっと健が笑ってしまうと、未茉は子犬を握りしめながら、

「健ありがとな。」
「あーなんかしたっけ?」
とぼける健がまたいじらしく思え余計ににやけた。


「そこ!!いちゃつくな!!!」

少しほろ酔いになってしまったのか、神崎に支えられながら見つめ合う二人に吠える実湖がやって来る。
「ほら!実湖しっかりしてよ!!」

「大丈夫ですか?」
翔真が荷物を渡すと、
「大丈夫。私は飲んでないし車だから!」
「全っ然!大丈夫じゃない!!」
叫ぶ実湖の視界に翔真を見つけると、

「ちょっと湊!!ちゃんとその女捕まえておきなさいよね!!」

「はい・・・。」

全然関係ない人にまでそんな指図をされてしまう翔真はもう何も言い返せなかった・・・。