「雰囲気も似てるじゃない?このまま健さんも幸せになってもらえたら、未茉も気が楽じゃない?」

「なんで?」
「未茉も湊君と幸せに付き合ってる時、ずっと健君に思われてたから、どうしょうもできない感情に申し訳なく感じてしまうじゃない。」
「匠兄みたいにかな?」
「うん。とても長い間あれだけそして今もあんなに思ってくれてることを忘れずに、湊君と幸せになりなよ。」

「むしろ幸せになりずれぇだろそれ。」
あまり意味が理解できてない未茉が一つ分かったのは、
「!」
健に寄り添いスマホで動画を撮りながら目があった実湖に対して、あまり面白くない感情を抱いたことだ。

(でももう応えられねぇし、健が誰かと付き合うなら…)
もしかしたら健もこんな風にあたしと翔真が付き合うことに複雑に思ってるのかな。と思うと、
「うっわぁぁあ~~~!!マジ応援できねぇえ!!」
くしゃくしゃっ!!と頭をかきながら、未茉はもがき、

「勝者!禅!!」
腕相撲大会では、勝った禅の腕をパパがあげながら声を出す。
「はぁーいっ!!はいはいはい!!あたし飛び入りぃ!!」
未茉が両手をあげて、腕相撲大会の横やりに入る。

「未茉。お前のキスがかかってるのにお前が入ったら…」
パパが困った顔をしていると、
「はい!!あたしあの女と勝負したい!!」
実湖を指さした。
「え、あたし…!?」
「ん。健を賭けて勝負。」


「ふっがぁぁあ………」
一方、リビングでは真っ赤な顔でいびきをかきながら寝ている結城に
チャーッ…
子犬がおしっこをかけてる姿に
「ぶっ!!あはははっ!」
莉穂と神崎は呑気に笑ってるのであった。