白石家に雷が落ちた所で、夜も更け中学生以下組が帰宅していった。

「俺も帰るわ。ごちそう様でした」
「おう気を付けてな。」
お辞儀する三上を玄関まで子犬を抱きながら未茉が見送ると、
「結城大丈夫かな?」
「ああ、リビングで爆睡してっから明日一緒に登校するよ!」
顔に全く出ない未茉の様子を見て、

「白石・・お前何本飲んだ?」
「んあ?さぁ3本くらいじゃん。」
“杯”じゃなくて“本”・・・。
けろっと答えるまさかのザルの彼女にひきつる・・。

「翔真も宜しくな。」
「ああ。アイツも大丈夫だろ。パパ達と盛り上がってるしな。」

(酒強かったんだなアイツも…。しかし今日も色々と驚いた夜だったなぁ。)
そこにも意外性を感じながらしみじみと一人帰る三上であった。


「よぉっし!!腕相撲勝負だ!!行くぞ!!レディーゴォオ!!」
リビングでは清二を筆頭に腕相撲大会が繰り広げられていた。
「うわっ…つぇえっ…!!」
「くぅ…!!」
匠と禅が対戦していて、その表情は真剣そのものだった。

「おお!!いい勝負じゃん!!」
未茉が見物だと興奮しながら見に行くと、
「だろ!?お前のキスを駆けて勝負してるからなっ!!みんな本気だ!」
どや顔ではっはっはっ!パパが笑うと、

「はぁ・・・!?おいっ!!」
「きゃぁあー♡♡さぁさぁ名勝負よぉ!!カメラ回さなきゃっ!!」
娘の突っ込みも無視しママも大忙しにカメラを回してる。

「おおっ!!あははっ!」
笑っている健のそばにぴったりとくっつく実湖の姿が未茉は目につくと、
「なんかあの子未茉に似てる。」
片付けをしながら莉穂がそう言った。
「そうかぁ?」
「うん。なんか甘えん坊なとことか。」
「あたし甘えん坊か?」
「怖いわ・・無自覚・・?」