「水越さん…、大丈夫ですか?」
ジャイコが心配そうに水越に駆け寄った。
「大丈夫だ。」
平然と答えるも、茫然自失していた。
(自分の全身全霊のディフェンスをスピードで交わされるのならばまだしも、パワーで打ち勝たれるなんて…
一年に、しかもこの全国ナンバーワンの私が…)
「一年頼みしたくなるのも無理ないでしょう?」
ニヤッとしながら、田島は水越に尋ねた。
「!?」
「肩書きに酔ってると足を救われるよ。たかが一年にね。」
悔しさを滲ませていた表情をいい気味と見ながら冷たく言い放ってゴールへと戻ってく。
「やっぱりすげーのは、白石かよ。」
だが全国の舞台で東京ナンバーワンのエースの座をあっさりと持ってかれたことが段々腹が立ってきた田島。
(強い奴とやればやる程、強くなるのか、まだまだこれでもお目覚め段階だったりするのか?)
限界知らずの未茉に今は味方ながら怖くなる程だった。
一年ながらにコートを縦横無尽に走りまくり、高い奴等に囲まれて物ともせず、リバウンド取ってシュートに行く華奢な体からのスタミナはどっからくるんだ。
「負けてらんねーよ。こっちだって。」
エリーのジャイコへのインサイドパスを田島はカットして走り出す。
「「おおっ!!」」
意地でレイアップを決めてきた。
「負けず嫌いだな。本当に」
まるで田島の心を見透かしたようにマイクは、クスリと笑った。
「浮気はダメですよ。マイクさん。」
早乙女が冷たく釘を刺すと、
「そんなんじゃねーから」
と笑った。



