「翔真は、あたしと付きあうことばっか考えてるけどさ、別れること考えたことある?」
「ないよ。」
気持ちいいくらいの即答に、
「だよな。」と頷くと、
「そんなの本人の前でそう言うに決まってんだろ。俺だって言うわ。」
虫の居所が悪いのか、わざとそんな意地悪を言う結城に対し、未茉はムッとし睨み、
「お前と一緒にすんなよな。そんな嘘つかねーよ。翔真は。」
「むしろそんなこと考えたくもない。」
いつも念頭にある不安を追い払うのかのように翔真はマジな顔をして言い切った。
「…」
なんだか面白くなさそうな結城の横顔に気づいた三上は、
「今狙ってる女は飽きなそうな女なの?」
少しの意地悪も兼ねて聞いてみると、
「さぁな。わかんねぇ。」
“まだ出会ってねぇだけじゃん?”
隣の翔真と未茉の二人の笑い合う姿がやけに目に焼き付いた。
「……」
プルプル…スマホのバイブの振動が響き、ラインを開いた。
【今日の和希君の退院祝い来る?】
莉穂からのラインだった。
「白石、今日和希の退院なの?」
「おおっ!そうだった!お前ら誘うと思ってたんだよ!!」
結城に言われるまですっかり忘れてた未茉は思い出したように手を叩く。
「うちで退院パーティー今夜開くからお前ら来いよ!!」
「行くよ。よかったね順調に退院できて!」
色々あって心配だったが、この日がきてよかったと翔真は嬉しそうだった。
「てか結城よく知ってたな?退院日。」
「莉穂とライン交換したから聞いた。」
「おお、そうか。さすが莉穂だな!」
(・・・鈍感・・。)
そこでなんも変な想像しないのがいい意味でも悪い意味でも白石だよな・・。と三上はため息ついた。
(翔真も特に口出すつもりはないみたいだし、俺も黙っておくか。)
人の恋路にはもう口を挟まないようにしようとつい先日学んだばかりなのであった。



