「あれ、白石さん!どうしたの?」
珍しく隣のクラスに来ている未茉にバスケ部の相沢は話かける。

「おお!相沢さん!!コイツ今日から復活するから宜しくな!!」
「あ、村越さんだよね?私、同じクラスの相沢で同じバスケ部だからなんでも聞いてね!」
しどろもどろの村越をクラスへと相沢が受け入れてくと、

「おう、大丈夫そうだな!」
一安心のため息をつくと、
「ちょっと…」ひそっとこちらを伺うような声が聞こえて振り返ると、教室で偉そうに座る米田達と目が合った。

未茉がムッと睨むと、視線はそらされたが、まだ何かあるように感じたので、
「あんだよっ…!!」
食いかかろうとした時、ぱしっ!と後ろから腕を掴まれ引っ張られた。


「おはよ。行くよ。」

「翔真!ちょ…!」
登校してきた翔真が教室へと連れだつ。
「なんだよ、急に」
「ん。いいの。」
ほわっとした空気を醸し出しながら、掴んでいた腕をそっと手のひらに移動し、大きな手が指先同士絡めて繋いでくる。

未茉は顔を見上げると、何事も知らなかったように眠そうにあくびしている翔真が視線に気づき、
「ん?」と優しい目で覗きこんでくる。

「んーん!!大好きっ!」
そのまま翔真の方に寄りかかると、
「やった。」と嬉しそうに綻ぶ。

「あのさ・・・、俺らいるから。」

「「え、いたっけ?」」
そうだっけと二人は振り返ると、
「本当にお前ら大概にしろよ・・」
結城と三上は睨みながら言った。