ーーガンッ!!!
大学生に体を寄せられても、うまく避け交わしこの試合初の、強くリングを叩きつけるような翔真のワンハンドダンクが炸裂した。

「うおぉっ…!?」
「すげー…」
相手チームと観客はもちろん、
「マジか…お前!!?」
部員もそのダイナミックなプレーに目を丸くする。
「よし!!いいぞ湊!!」


「…はぁ…」

息を整えながら、翔真は座っている颯希の方を見る。
その視線はまるで戦いたいの意思表示にも思えた。
「…生意気な。」
だが颯希はチッと舌打ちしながら睨み飛ばした。

バッーーシュッ……
「またあの6番だ…!」
第4Q中盤になるがどんなに囲まれても翔真のシュート力が衰えることはなく、スリーポイントも調子よく決まった。

「あんだよ…アイツ」
「突き放しても突き放しても、必ず縮めて来やがって…」
王子学院大学のメンツ問題だぜ。と選手も迫り来る点差に焦り始める。

「いい選手だ…」

王子を率いて十年の名将監督でさえ、圧巻のプレーに翔真を食い入るような目で見ていた。
このまま一人の高校生にやられっぱなしなどありえない。と意を決し、アイコンタクトを送り、翔真を二人がかりで必死に止めに入るが、
「っ…!」
スペースをうまく使い、三上をフリーにさせてパスを送ると、

ーーシュッ!
正確なボールコントロールで冷静にスリーポイントを沈める。
「ナイシューッ!!」
互いに体をぶっつけながら翔真も嬉しそうにバチンッと手を叩く。

(シュート決めてあんなに喜ぶ翔真を俺、久しぶりに見たかも・・・。神試合だな。)
そんなに好きかって呆れるくらい三上も苦笑した・・。