「はい。今日は宜しくお願い致します。」
スッと翔真が握手を求め手を伸ばすと、
「まぁ、俺は出ないけど。」
差し出された手を軽く振り払われた。
「…そうですか。残念です。」
「俺が出なくても全国にも行けなかったチームなんて1、2年でも五十点差は開くぜ。惨めな思いするのは目に見えてるぜ。」
「いえ、十点差以上開かすつもりはありません。」
「…あ?」
聞き捨てならない言葉に睨みをきかした。
「お前らが日本一の大学生に10点差だと?」
「はい。」
「笑わせてくれるな。」
「…もし、十点差以内だったらひとつお願いを聞いてくれますか?」
「なんだと?!」
「神崎さんとの婚約解消を撤回して頂けませんか?」
「!?」
「お願いします。」
深々と頭を下げると、
「ざけんな。このガキ。」
グッ!と翔真の胸ぐらを掴みかかると、
「おい!!颯希!!?」
監督や部員達が驚いて止めようとすると、
「生意気言って本当にすみません。」
「お前、最初っからそんなふざけた目的で…」
「俺にとってはひとつもふざけたことはありません。今日は宜しくお願い致します。」
深々とお辞儀をして、準備を始めた。
「おい…翔真…大丈夫かよ…」
思わず心配で結城達が近寄ると、
「うん。大丈夫。勝つぜ。」
「…!」
珍しくエースらしくチームを自ら引っ張るような強い意思表示にみな驚くが、
「「おう!!!」」
面白い。やってやるぜ。と皆顔を見合せ声を上げた。
((白石が絡む翔真は向かう所敵なしだからな・・))
と、みんな思っていたからだ。



