一方、キタローの焼きそば店は華麗なヘラ裁きと味が評判を呼び長蛇の列に。
チャッ!カチッっ!!
ヒュルルッ!!とヘラを空中で高く回しながら交差させてキャッチする姿に
「「おおおぉ!!名人すげぇ!!」」
パフォーマンスに子供達は大興奮して大盛況だった。

「…手伝うよ。」
椎名がキタローの隣にやってきて、手際よくパックに詰めだす。
「…」
どういう風の吹き回しなのか分からず片目で睨んでいると、


「昨日は叩いてごめん。」

顔も見ず手を動かしながら、小さな声で少しふて腐れたように放たれたがキタローの耳にはどうやら届いていたようだ。

「謝罪は必要ない。お前のお陰で白石は救われた。」

「…うん。」
なんだか少し寂しい気はしたが、これでよかったと頷くと、
「もしまた米田に誘われるようなことがあったら俺がどうにかする。」

「どうにかって…?」
「呪いいたぶる。」
「・・・・。」

「だから何かあったら必ず俺に言え。」

「え…あ…うん!」
思わず胸キュンをしてしまった椎名だったが、

(椎名は白石の友達…よって白石を苦しめる者は一人残らず成敗する…!!)
闘志がメラメラと剥き出すキタローは、

ボォォオオオッ!!!
焼きそばの炎も燃え上がらせると、
「おぉお!!お兄ちゃんすげー!!」
子供達はそのパフォーマンスに胸を踊らせ、隣の椎名の乙女心も踊らせていたのであった・・。