TIPOFF!! #LOVE WINTER





「おー!!惜しいっ!」
「ちぇっー!!」
体育館ではフリースロー大会が行われていて、翔真が子供達にボールを渡しながら見守り役をしている。

「いい?手先だけじゃなくて膝を使って打ってみて」
ちゃんと子供達の視線の高さに合わせて屈んで優しく教えている翔真を未茉は見つけて、
「おう!翔真!!やってる!?」
「うん。」
「豚汁食う?」
「ありがと。」
食べていた豚汁を渡すと、
「なんだ。お兄ちゃんの彼女?」
親密そうな二人に子供達が尋ねると、

「彼女にしたい人。」
にっこりと微笑んで答える。
「へぇー!!片想い?辛ッ!!」
正直な感想に驚くも、
「あはははっ」と二人が声を揃えて笑いだす。

「お姉ちゃん、なんでお兄ちゃんと付き合ってあげないのぉー?」
バスパンの裾を引っ張りながら尋ねられ、
「付き合うよ。バスケがうまくなったらな。」

「そうなのー?じゃ待たせてるの?」
「まぁな。」
「逃げられないようにね。」
「あははっ!大丈夫。あのお兄ちゃんはあたしにベタ惚れだから。」
「へぇ~!いいね!!」


「未茉、子供達になんてこと言ってるの・・。」

そこへ現れたのは、このクラブ出身の東条兄弟の莉穂と禅だった。
「おう!莉穂!あ、禅もじゃん。」
「こんばんは。先輩。」

「あれ?駿は?」

莉穂の元彼の二階堂もここのクラブ出身だから一緒に来るかと尋ねると、
「もう連絡もとってないし、今日王子の一年は遠征だからこないんじゃない。」
「ふーん。さすが私立の強豪だな。遠征ばっかり。」
莉穂らしくない冷たい返しに未茉は少し違和感を感じたが、それ以上は何も思わなかった。