「おい…今のなんだあのパス…」
愛知のベンチではシュートを決められたことよりも、
「エマにあんなぴったり着かれて股抜きパスなんかするか!?」
あんなパスを試合中にするか?エマ相手に…と絶句をしていた。
「未茉凄・・・。エマ相手にあんな交わし方した人初めて見たよ・・」
呆然とららは口を開けて驚いている。
「さっき入ってきたガードのやつ(前原)相当白石の使い方うめぇーな。今このタイミングでの監督の起用がすげーな。」
「不破さんずいぶんいい分析しますね。さすがBIGスター!!」
目を輝かせて褒める翔真に、
「てめぇ!!誰様に向かって口聞いてんだ!!」
「ボールを持ちすぎずに、瞬時に周りを判断できる。あのガードうまいよ!未茉の動きが全然違う。」
これは流れがぐっと変わりそうだとららは目を輝かせた。
エリーが放ったスリーポイントシュートがリングから外れ、ゴール下ではリバウンド争いしていたが、水越と石井の争いから溢れたボールを未茉がナイスキャッチで取る。
「「おお!!白石!!」」
「ナイスリバン!!」
一気にゴールへと走り出すが、後ろからはエマがぴったりとくっついてくる。
「1対1だ!!」
「早さだとエマが上だ。」
どうでるんだ白石…
見る者達全てが息を飲んだ。
(ここは、この一本は絶対外すわけにはいかない。)
ボールを持ち、未茉はリングへと高くジャンプする。
「ダメだ!!エマに…」
見る者は思わず目を閉じたくなる光景だったが、
未茉はシュートに見せかけ、空中でバックパスを出し、それを詰めていた田島が受け取りジャンプシュートを入れる。
「「決まったぁぁ!!!」」
立て続けに東京の得点が決まると、
ピー!!
流れを立ちきるかのように原監督が温存させていた伊藤とジャイコを投入してきた。
「スタメンに戻してきましたね。原監督」
「ああ、これ以上うちに流れを持ってかれることを恐れたんでしょうね。」
神崎もそんな原を横目で見ていた。



