「挨拶もできねぇのか!お前は!!」
お構いなしに未茉が怒鳴るも、
「やめろお前は!!」
余計にビビるだろうが!!と結城に制止させられる。

「今、明徳の女バス凄い盛り上がってて楽しいよ。」
泣いて縮こまる村越の元にすっと翔真がやってきて腰をおろして優しく話しかける。
「うん。米田達なら心配いらないよ。白石がきっと守ってくれるし。」
三上も同じように優しく話しかける。

「……」

うずくまりながらも、村越は耳を傾けてはいた。

「日和、隣のクラスだけど私もサポートするから学校おいで!!絶対もう大丈夫だから!同じクラスにも女バスの子もいるし、あの時とはまた全然違うよ!!」
椎名も賛同して説得にあたるが、反応はない。
「今週来なかったら留年だよ?!せっかくバスケもできるのにもったいないよ!!」

「……」
仲間達に囲われて説得するにも関わらず無反応の村越を遠目から未茉は見て、

ーーブンッ!!!

ボールを彼女の頭めがけて勢いよくぶん投げた。
「「!!?」」
一同驚くも、

パシッ…と、反射的に村越はボールをキャッチしていた。

「…おう。踞ってても反射神経だけはあんだな。」
試した未茉はニッと笑った。

「おい・・白石!荒療治すぎるぞ・・!」
たまらず突っ込むと、
「うっ…」
またも泣きそうになり、うずくまろうとする彼女に再びボールを投げつけるも、ぱしっ!!と反射的にそれも受けとった。

「よし。1対1勝負しようぜ。」
ダムダム…!
ボールをつきながら、未茉が提案した。
「10本勝負な。あたし右手しか使えねーからそれがハンデだ。」

「右手だけでも勝つとかハンデとか自信満々かよ・・」
そりゃお前なら勝つだろうけどよ・・と結城は呆れながらぼやく。