「あ、日和っ!!」


体育館の方を覗く椎名がその姿を見つけて、名前を呼んだ。
「え…」
驚いた顔でこちらを見てボールを置く村越に、

「ああ!!そういえばいたかもな!」
うろ覚えだったが思い出したのか結城が手を叩いて村越の顔を見た。

「ああ…うんいたかも…」
「絶対嘘だろ翔真・・。」
つられて思い出したふりをする適当な翔真に三上の突っ込みが飛ぶ。

「おう!村越さん?久しぶり!!ってもごめん全然あたし覚えてねーや!!」

あははっと笑いながら握手の手を差し伸べる未茉に、
「!!」
真っ赤な顔をしてサッと椎名の後ろに隠れる村越

「ん?なんだ?」
未茉は隠れた村越にひょこっと顔を覗かせるも、
「!!」
また再びサッと隠れる・・・。


「おい、どうした?」
サッ。
「おい」
サッ。
「ぅおいっ!!てめぇ!!」
何度も隠れるので未茉が怒鳴ると、

「うっ………」
涙を浮かべて体育館の隅っこに移動し、柱の影に隠れて小さく体育座りをして啜り泣く。

「人見知りなのよ・・・。」
こうなる想像がついていたのか椎名がひきつった顔で困っている。