(この子が天才と呼ばれてる子?この時間に17点差つけられてへらっと笑ってるとか。勝負捨ててるとしか思えない。)
水越の代わりにベンチから出てきたセンターが未茉を見下ろしながらゴール前に立つと、
エマからのポストプレーのパスに反応した未茉が飛び込みジャンプすると、
「まずい!!」
慌てて誘われるように手を出し叩いてしまうと、そのボールはラインを割ってしまい、
「よし!!東京ボールだぁ!!!」
「…水越、行くぞ。」
原監督は早々に水越と交代を決めた。
「そんなに焦らなくてもこの点差なら余裕じゃないのか?エマ出てるし。」
観客は不思議そうにベンチを見ている。
(全国一のあの名将原監督が、天才少女に翻弄されてるなんて誰も思わないだろう。)
東京男子の工藤監督は先手先手に回って白石対策を打ち続ける様子を見ていた。
(唯一、愛知に東京が勝つ可能性を持たせることができる一年だろうからな。)
「おし!!一本決めるぞ!!」
前原と田島でボールを運びながらチームを鼓舞する。
「はい!!」
走り出す未茉にはぴったりとエマがディフェンスをかけてくるが、
「やれ!白石!!」
前原はお構い無しに未茉にパスを送る。
「あぶな・・っ!!」
「そこは田島を使え!!」
不安になるベンチ陣は前原の容赦ない未茉へのパスにビビるも、
「おう!!任せろ」
ボールを受け取った未茉は、エマの目の前で静香へと股抜きパスを送る。
「田島さん!!」
「オッケー!!」
そのままエリーを交わし、3ポイントシュートを放ち、ゴールを決めた。



