「全校生徒の前でしかも登壇でキスするとか・・・マジ信じらんねぇ・・アイツら。」

結城は頭を押さえ、ひきつった表情を浮かべて教室に戻ってく。
「おかげで翔真の作文が全然耳に入って来なかったしな・・。」
同じく三上もひきつりながら隣で歩く。

「白石は?」
職員室へと連行させられてしまった翔真と未茉が気になり、キタローは尋ねた。
「職員室だとよ。多分まぁなんだかのペナルティーはありそうだよな。」
「下手したら停学とか…?」
「ありうるな・・・」
参ったな。と頭を抱えてると、

「そういや、椎名は大丈夫かな。」
ふと気になったのは、椎名のことだ。

米田達に脅されてたという経緯を聞いて、逆恨みでもされないかと心配になったが…、
くいっ。とキタローが教室にいる椎名の方を指差すと女子達と話してる姿があった。

「大丈夫。米田さん達に何かあったらうちらも加勢するから何でも言って!」
「ありがとう。」
「米田さん達もやりすぎだよね。体操服あんなことするなんて…」


「心配いらなそうだな。」
椎名を心配してる女子達の様子を見て少し安堵する三上に、
「米田のグループってなに?そんなこえーの?」
「いや、怖いっていうかハデなんじゃん?結構遊んでるっていう噂もあるしな。男好きっーか。ほら翔真にも結城にもコクってきたじゃん。遠足の時。」
「え、そうだっけ?」
遠い昔すぎてよく覚えてなくて思い出せないでいる。

「そういや、ひとつ気になることがあって。」
キタローが二人の話に口を挟むと、
「気になること?」
「椎名と仲良かった奴が米田達に苛められて不登校なんだ。」
「「え?!」」

「隣のクラスだから米田達と同じクラスらしいけど、その女子…」
気になるから椎名に聞いたんだけど、とキタローが話始めた。