「湊!例のあれはできたか?」
うたた寝している翔真のもとへ教頭でもある野村監督が教室へやって来て確認する。
「え…ああ、はい。もう少しです。」
まだ寝ぼけてるのか、虚ろな返事をする。
「例のあれって?」
たいやきを噛りながら未茉が尋ねる。
「明日の生徒集会で国体の感想を発表するんだよ!我が校始まって以来だからな!!国体出場者は!!」
「へぇー!スゲー!!」
「女子は前原先輩だからよかったな。お前の作文能力じゃ全校生徒の前で恥かくだけだもんな。」
「うるせぇな結城黙れ!!ぶっ飛ばす!」
未茉が中指を立てて睨むと、
「あ、そうだ翔真。例のリクエストの試合だが週末の午前中ならってオッケーでたぞ。」
「!本当ですか?」
ようやく目を覚ましたのか目を輝かせた。
「大変だったんだぞぉぉお~アポ取るの!でもお前の頼みだから、一肌も二肌も脱いでやったからな!?」
恩着せがましく言われるが、
「はい。ありがとうございます。」
嬉しそうに返事をした。
「ん?試合ってどこと?」
無欲の翔真がリクエストしたなんて珍しく気になると、
「…どこだっけな。バスケ雑誌見て指さしたから忘れちゃった。」
その言い回しに、
((白石には言いたくないのか…))
と、察した結城と三上は黙っておくことにした。
「あははっお前らしいな!」
未茉は笑うと、翔真もにっこり笑った。



