「椎名に渡して。」

授業が終わると米田がクラスにやって来て手紙のような小さな紙を男子が預かった。
「椎名。これ米田から」
「え」
少し嫌な予感はするも、廊下の方を見るも、もう米田はいなかった。
キタローもそれに気づいた。

カサッ…と紙をあけると、
【昼休みにさっきの裏庭に白石呼び出して。】
そう書かれていた。

「はぁ…」
やっかいな頼まれ事をされてしまい、頭を抱え席に座った。
すぐに近くの席のキタローからの視線に気づき、
「!」
ぐちゃっととっさに手紙を丸め、
「なっ…なによ!?」
「…別に。」

すると浮かない表情で椎名はまたため息をついた。


「あ~腹へって餓死する…」
三時間目にはエネルギー切れを起こし、机に倒れこむ未茉に、
「空気食ってろ。」
隣からは冷たい結城の視線を浴びせられてると、
「食うか?白石。」
そろそろお腹が空くであろうタイミングにこしらえていたキタローの差し入れのたいやきクロワッサンの焼きたてが差し出される。

「めちゃくちゃ美味しそうぉぉお!!焼きたて!?」
「前に白石がたいやきが食べたいと言ってたから作っ…」
キタローの手ごと食べてしまいそうなくらいの大口を開けて、
「激うまっ!!!やべぇっ!!」←聞いちゃいない。

(よかった…喜んでくれた…)
豪快な食べっぷりを見て安心し、少しでも元気を出してくれればと願った。

「お、キタロー俺にもよこせ!」
と、結城がバゲットに手を伸ばすもべちんっ!!とキタローに叩かれ・・・、
「お前には空気で充分だ。」つん。
「・・くそぉー・・」泣