「今のうち逃げて。」

その翔真の言葉に女の子は何も言えずに隣のクラスに逃げてく。

「ぬぁ…!!?翔真なにすんだよ!!てめぇ離せ!!」
「よいっしょ。」と全力でジタバタする未茉の体を肩に担ぐと、

「ちょっと散歩行ってくる。」

「離せよぉお!!ふざけんな翔真ぁぁぁあ」
叫び暴れる未茉を横目に平然と歩いてく翔真に、
「おう・・いってこい、猛獣使い。」
結城は苦笑いで返事する。


「…あの週刊誌の記事ならほぼガセネタだし、見ての通り白石と翔真はうまくいってるんだからいちいち他人が騒ぎたてる必要ないと思うよ。」

二人がいなくなった教室でみんなに三上がそう呼び掛けると、クラスのみんなは顔を見合せ黙りこんだ。

そして青ざめていた椎名も少しだけホッとした。