「で、結局お前CMやるの?」
「やるに決まってんだろ?!!なんったって15万!!」

「「・・・金かよ。」」

「アイス何本買えんだろ~~~……」
帰り道四人で歩きながらキラキラと目を輝かす未茉に、
「アイスかよ。ちいせぇ女だな。」
呆れはてる結城。

「アイスだけじゃなくて、パパとママに温泉旅行でもプレゼントすっかな!!そうしたら少しはママも元気が出るはず!!あ、アイスたーべよ!!」
コンビニの前を通りかかると未茉はすぐに直行する。
「アイツぜってぇカネたまんねぇな・・・」
その単純な姿にそうぼやく。

「翔真、嫌なら嫌って言えば?」
さっきから無言の翔真が気になり三上が尋ねる。
「え」
「彼氏じゃなくても自分の気持ち言うくらい遠慮しなくていいと思うけど。」

「さんきゅ。でも自分の気持ちで足を引っ張るのはもうやめたいんだ。」
キッパリと言い切る強い姿勢に今までとは少し変わったと思った。
(無理してる感じもないし。)
もう苦しそうな感じでもなかったので、ちゃんと通じ合えてるんだと安心した。


「確かにそぉだよな!?あのKING桐生と共演だろ?!そりゃ嫌だよな!?」
今気づいた結城はよくよく考えてみると我慢すんなよ!と翔真の肩に手を回す。
「しかも桐生は白石のこと好きなんだろ?!あの鈍感女が気づいてるかわかんねーけど!!」

「気づいてるっていうか伝えてるんじゃないかな?」
「お前!!少しアイツに調子にのんなっ!ってハッキリ言ってやれよ!!俺ならぜってえやだね!!彼女が他の男とイチャイチャしたCM出るなんて!!!」
しかもそれがテレビに四六時中流れるなんてぜってぇ許さねぇ!!と自分のことのように怒りマックスで震えてると、

「え…イチャイチャするの?」
それは聞いてないなぁ…と呟く翔真に、
「スポーツ飲料でイチャイチャってどんなCMだよそれ・・・」
三上が呆れている・・・。