「お前…あの女の言う通り、魔性だな!?」
もう照れの境地が限界に達した嵐は、これ以上持たなくて唇を離し、嬉しいくせに嫌みをぶつける。
「あの女?静香?」
「そうだよ!あのふんどし女!!」
「ぶっあはははっ!!」
「キスしておいて何事もなかったように笑ってんなっ!!!」
「なんだよお前は…キレたり真っ赤になったり…」
「お前がそうさせるんだ!!俺を」
「そうなのか?」
「お前…湊を好きなくせに、俺とキスしたりしていいのかよ。」
「どういう意味だ?」
「気を持たせんなよ!!俺に」
「じゃあすんなよな。…拒んだら傷つくだろお前。」
「・・・・。」図星。
「別に拒む理由もねぇーよ。あたしのこと好きなんだろ?キスぐらいしてやってもいいぜ。」
「おまっ・・・!!」
「いくらしても、翔真がいる以上、好きになることも、付き合うこともねぇけどな。」
「……」
期待から一転、急に現実になる。
「気持ちには答えられねぇけど、キスには答えるぜ?いくらでも。」
悪気なく突き放すーーそれがやけに身にしみた。



